脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさく)の患者数の病院ランキングです。2017年の実績ベース(リトリート編集部:大畑亮介)。脊柱管狭窄症などの腰痛の専門の医師・名医の一覧(リスト)と順位です。1位は岩井整形外科内科病院(東京)、2位は沢田記念高岡整志会病院(富山)、3位広島市立安佐市民病院となっています。脊柱管狭窄症の医師やクリニックを探しましょう。(医療・介護情報メディア「リトリート」編集部 大畑亮介

脊柱管狭窄症の患者数ランキング(2017年時点)

順位 病院名 脊柱管狭窄症の患者数
1位 岩井整形外科内科病院
(東京都江戸川区)
717
2位 沢田記念高岡整志会病院
(富山県高岡市)
698
3位 広島市立安佐市民病院
(広島県広島市安佐北区)
571
4位 慶友整形外科病院
(群馬県館林市)
550
5位 村山医療センター
(東京都武蔵村山市)
527
6位 えにわ病院
(北海道恵庭市)
506
7位 川□総合病院
(埼玉県川□市)
483
8位 稲波脊椎・関節病院
(東京都品川区)
464
9位 交野病院
(大阪府交野市)
402
10位 静岡赤十字病院
(静岡市葵区)
386
11位 岡山医療センター
(岡山県岡山市)
384
12位 北海道整形外科記念病院
(札幌市)
370
13位 貢川整形外科病院
(山梨県甲府市)
368
14位 新小文字病院
(福岡県北九州市門司区)
359
15位 日野記念病院
(滋賀県日野町)
356
16位 廣島総合病院
(広島県廿日市市)
348
17位 新潟中央病院
(新潟県新潟市中央区)
347
18位 あんしん病院
(兵庫県神戸市中央区)
334
19位 日本赤十字社医療センター
(東京都渋谷区)
331
はちや整形外科病院
(名古屋市千種区)
21位 日本鋼管病院
(神奈川県川崎市川崎区)
326
22位 関西医科大学附属病院
(大阪府枚方市)
318
23位 総合病院聖隷浜松病院
(静岡県浜松市中区)
314
24位 函館中央病院
(北海道函館市)
310
25位 総合せき損センター
(福岡県飯塚市)
304
26位 長崎労災病院
(長綺県佐世保市)
293
27位 名古屋第二赤十字病院
(愛知県名古屋市昭和区)
291
28位 熊本中央病院
(熊本県熊本市南区)
289
29位 和歌山県立医科大学附属病院
(和歌山県和歌山市)
287
30位 大阪病院
(大阪府大阪市福島区)
284

腰痛「脊柱管狭さく症」の手術(福岡、2008年)

高齢化と共に増える腰痛。高齢者に多く、背骨の中の神経の通り道が狭くなるのが「脊柱(せきちゅう)管狭さく」という病気だ。

 手術件数は、手術の経験をはかる基本的な数値で、手術率(%)は腰痛患者に占める脊柱管狭さく、椎間板(ついかんばん)ヘルニア両手術の合計の割合。手術と保存療法の比率を示している。各施設の治療に対する考え方や地域における役割をうかがううえでの目安になる。

 各施設の特徴は入院日数にも表れ、ばらつきが大きかった。脊柱管狭さくでは、全国平均が20・4日。最短は3日、最長は60日だった。椎間板ヘルニア手術では、全国平均が14・8日。最短は2日、最長は74日だった。

 日本脊椎脊髄病学会理事長の菊地臣一さん(福島県立医大教授)は「高齢者の場合、健康状態によって長引くこともあるが、通常は2週間程度で十分」と話す。

 入院期間が長い施設の中には、手術後のリハビリに力を入れていたり、手術前の保存療法で手術回避の可能性を探ったりしている所もある。近くにリハビリできる施設がない、交通が不便で通院が困難などの地域事情によっても入院が長期化するケースがある。

 一方、患部にカメラを挿入して手術することで、傷口を小さくする「内視鏡手術」などには、入院期間を短縮する効果もある。入院期間の長さは、医療費にも影響する。手術を検討する際には、入院期間の目安についても、医師に尋ねてみてはどうだろうか。

飯塚のセンター リハビリ施設など充実 入院から退院まで一貫治療

 腰痛の治療は手術後、3~4週間の入院を経てリハビリ用の病院に転院して続けられるケースが多い。しかし、飯塚市伊岐須の総合せき損センターはリハビリの施設とスタッフが充実しているため、患者はいったん入院すると、退院まで転院することなく、治療を受けられる。

 同センターは特殊法人・労働福祉事業団(現独立行政法人・労働者健康福祉機構)が1979年に開設した脊髄(せきずい)疾患専門の病院(150床)。医師は芝院長をはじめ14人。うち6人が300件以上の手術を手がけているベテラン医師だ。

 土日曜や祝日、夜間も医師が交代で当直をこなし、救急病院からの紹介があれば、事故で腰の骨を折るなどした急患も受け入れている。

 リハビリに当たるスタッフは理学療法士、作業療法士ら16人。このほか、患者の自宅の風呂やトイレを使いやすいように改修するために相談に応じたり、車いすなどの器具を一人ひとりに合った形に設計したりする専門職員が5人いる。病院内にはリハビリ用のプールと体育館があり、手術後の患者が社会復帰に向けて運動に励んでいる。

 2007年に行った腰痛手術は529件。7割が脊柱管狭さくで、残りは椎間板ヘルニア。患者の大半は高齢者で、県外から訪れる人も多い。

 芝院長が手術を薦めるのは、尿が出にくくなる障害や足などにマヒが生じた患者と、耐え難い痛みがある患者。このほか、仕事などの都合で、早期の社会復帰を望んでいる患者の手術にも応じている。

 腰痛の原因は、加齢や疾病、事故、先天的な要素など様々。希望する回復の度合いも「スポーツが出来るように」「日常生活に支障がなければ」など、人によって異なるが、納得するまで入院してもらうことを基本方針にしている。

 芝院長は「転院を繰り返すのは患者にとって不幸なこと。腰痛手術に求められているのは、手術からリハビリ、社会復帰までを一貫して行う医療機関を増やすことではないか。腰痛が続くようなら、まず整形外科の専門医に相談してほしい」と話している。